2024.02~2024.03 サザーランドの靭帯性関節ストレインセミナー

関節の靭帯は通常、相互張力がバランスされた状態にあり、正常な可動域内において完全に弛緩することはめったにない。
動きが正常可動域を超えると、張力はバランスを失い、その方向への動きを制限している靭帯構造の要素はストレインを受け、脆弱化する。そして、ストレインを受けていない要素が原因となる相互張力のバランスの乱れにより病変が維持される。これにより関節メカニズムは固定され、あるいは別の言い方をすれば、自由で正常な動きが阻害されてしまう。
緊張のバランスが乱れた状態により、骨は緊張が正常な状態にある場合よりストレインが生じた位置に近い位置を当然のものとみなし、また靭帯の脆弱化した部分は病変方向への過度な運動を許容してしまう。一方、反対方向への動きは、ストレインを受けていない要素のより硬く対抗されていない張力により制限される。

テクニックの原理

緊張の適切なバランスを取った状態で、身体の防御メカニズムによる抵抗を乗り越えさせ病変を開放させる為に、患者の呼吸や筋肉による協力を用いる。
患者が可能な限り呼気あるいは吸気で息を止めると、無意識的に呼吸を再開しようとする不随意的な努力の聞に、開放が起こる時期がある。四肢の障害においては、患者は誇張の位置で関節を保持すると、筋肉が弛緩した時、またはその直前に、開放が靭帯の作因を通じて生じる。
————Teachings in the Science of Osteopathyより引用

講師コメント

このセミナーは、日本語で出版されている靭帯性関節ストレインCONRAO A. SPEECE,D.O.. and WILLIAM THOMAS CROW,D.O.著に紹介されているテクニックとは異なる、ウィリアム・G.サザーランドD.O.が行っていたバランスポイントに呼吸を使ったアプローチです。
サザーランドはクラニアルボールの中でオステオパシー病変の考えを統合して、「靱帯性関節ストレイン」と名付けた。

Teachings in the Science of Osteopathyに紹介されている内容をベースにその他のアプローチも紹介していきます。Teachings in the Science of Osteopathyには術者の膝の上にクライアントを座らせて行うテクニックが紹介されていますが、日本オステオパシー学会といたしましては、日本においては倫理的に問題があるテクニックとして、行わないように指導しています。この部分は膝に座らせるテクニックではなく、キャスター付きの椅子を使ったテクニックにアレンジして紹介いたします。
過去にLAS靭帯性関節ストレインのセミナーを受講された方も、また違ったアプローチになりますので、臨床で使える幅が広がります。
今回、全2回のサザーランドの靭帯性関節ストレインセミナーには時間的に内臓領域と骨以外のアプローチは含まれません。
今回の受講者対象に、将来サザーランドの靭帯性関節ストレイン内臓・骨以外のアプローチのセミナー(一日)の開催も検討いたします。

■講師:小嶋 智, MRO(J)

テキスト:プリント配布

参考図書:
・Teachings in the Science of Osteopathy
・靭帯性関節ストレインーオステオパシーマニピュレーション

■全2回シリーズ

第1回→済2024年02月11日(日) 9:30-16:30体幹 (OA・AA・頚椎・胸椎仰臥位/座位・肋骨座位/側臥位・腰椎座位
第2回→済2024年03月24日(日) 9:30-16:30仙骨・姿勢性機能障害寛骨・恥骨 四肢(上肢・下肢)
第3回→済2024年07月21日(日) 9:30-16:30足関節・筋・筋膜・内臓
(前頸筋膜のリフト・横隔膜リフト・胃食道連結・肝臓ターン・胆汁ドレナージ・胆石・S場結腸・腸の蠕動運動・弓状靭帯・起立筋群・脊柱分節別法・大腰筋・腰筋テクニック方法2・腰筋テクニック方法3腸腰筋腱・骨盤リフト(骨盤隔膜)・不対神経節・膝窩のドレナージュ)

■定員:18名 ※事前申込が必要です※

セミナー会場:ジャパン・カレッジ・オブ・オステオパシー
167-0053 東京都杉並区西荻南2-26-2 地図
★会場は土足厳禁です。スリッパ等、室内履きのご持参をお願い致します。
★校舎敷地内は禁煙です。なお住宅街でもあるため近隣での喫煙もご遠慮下さい。

◆講義中、携帯電話は、電源オフまたはマナーモード(音なし)にしていただきますようお願いいたします。

本セミナーは他の日曜セミナーとは異なり、講義の録画はいたしません。