先進国の中で、オステオパシーを政府国家資格として認めていないのは日本だけです。そんな日本でも最近ようやくTVや雑誌で、オステオパシーが紹介されるようになりました。しかしながら、法的に国家資格のない現状では、国民の多くはオステオパシーの素晴らしさに触れることができません。
オステオパシー発祥の地アメリカにおいては1892年にはオステオパシーは「医学」として、オステオパシー医科大学が認められ今日にいたっています。日本においては、日本オステオパシー学会が結成された1990年頃までは、まるでオステオパシーの鎖国時代であったような感さえあります。
現在アメリカ・イギリス・フランス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなどでは国家資格として、しっかりとした教育機関を持ち日々発展を続けています。日本オステオパシー学会では、国際基準を念頭においたオステオパシー教育を目指しています。将来的に、国際的な教育水準が設定された場合は、教育機関であるJCO(ジャパンカレッジ オブ オステオパシー)で対応できるよう、教育の充実とオステオパスの育成に力を入れています。
日本オステオパシー学会は、より多くの方の健康に貢献できるよう、国内外の活動を通してオステオパシーの充実と発展に尽くしてまいります。
西洋医学と呼ばれるアロパシー医学は対症療法であり、現出している症状に対して治療を加えます。発熱があれば解熱剤、血圧が高ければ降血圧剤、癌があればその余分な癌細胞を切除します。一方、オステオパシーの治療はホリスティックアプローチと呼ばれる全体治療が特徴的です。オステオパシーは、西洋医学に東洋医学的な概念えお併せ持つ「究極の医学」ということができるでしょう。オステオパシー発祥の国アメリカにおいてD.O.(ドクター・オブ・オステオパシックメディスン)は、全米50州全ての州で、M.D(メディカル・ドクター)と同等の教育機関、訓練機構、資格審査を経て、臨床の場に出てゆきます。彼らの医療業務範囲には制限がなく、D.O.は内科・小児科・産婦人科・精神科等々、M.D.と同様の専門課程を受け持ち、その上OMM(オステオパシー手技医学)というD.O.独特の技術を持っているため、AOA(アメリカ・オステオパシー医師会)は「オステオパシーは従来の医学に更に付加したもので、けっして別のものではない。」と公言しています。
しかし、D.O.はM.D.とほとんど区別がつかず、アメリカにおいてさえも場所によってはまだまだ良く知られていないのが現状です。ラテン語のOSTEO-が「骨」を意味するため、骨の専門家、整形外科の一部と間違った認識を持たれているのが実情です。現在、AOAが中心となって、世界にオステオパシーを広めようとしています。中でもAAO(アメリカ・オステオパシー学会)はWOHO(世界オステオパシー健康機構)を設立し、世界中どこでも同レベルのOMM(オステオパシー手技医療)が受けれるように、グローバルなスタンダードを定めるべく協議を重ねています。(日本を含め、アメリカ以外の国ではオステオパスは手技のみを行います。)
そのような中で、日本ではオステオパシーの主要な3団体(日本オステオパシー学会JOA・全日本オステオパシー協会・関西オステオパシー協会)が集まってJOF(日本オステオパシー連合)を設立して海外との窓口を一本化し、正しいオステオパシーの交流・普及に努めています。我々の教えるオステオパシーと、アメリカのオステオパシー医学大附属病院のオステオパシーが同じものになるよう、切磋琢磨しているところなのです。JOFはOIA(Osteopathic International Alliance)に加盟している日本唯一の団体です。
2017年の初めに大統領が交代となり、トランプ大統領が任命されたことにより、これからのアメリカ合衆国での医療制度がどのように動くのか、そして日本の医療は2020年の東京オリンピック・パラリンピックで世界にも誇れる医療制度を示し、アスリートへのおもてなしは可能なのかを、日本オステオパシー学会は注目しています。
Osteopathy and Osteopathic Medicine
オステオパシーとオステオパシー医学 (OIA.2013)
・グローバルな視点からの診療、患者、教育そして医療提供への貢献 (JOF翻訳版PDF)
・A Global View of Practice,Patients, Education and the
Contribution to Healthcare Delivery (原文PDF)
※オステオパシーとオステオパシー医学の翻訳版は国会図書館に一冊寄贈してあります。
国立国会図書館 東京本館 〒100-8924 千代田区永田町1-10-1
Global review of osteopathic medicine and osteopathy 2020(原文PDF)
・Benchmarks for Training in Osteopathy WHO2010(原文PDF)
・WHO Traditional Medicine Strategy 2 0 1 4 – 2 0 2 3 (原文PDF)
WHO公式パートナーリスト(原文PDF) 9P目にOsteopathic International Alliance (OIA) が記載されています
・WHO GLOBAL REPORT ON TRADITIONAL COMPLEMENTARY MEDICIN 2019 (原文PDF)
・JOFオステオパシー実践規範 要綱 2024(PDF)
日本オステオパシー連合により発行された実践規範についての主なポイントです。この実践規範はオステオパスとしての高い倫理・行動基準、クライアントとの関係、情報保護、施術に関するガイドライン、そしてオステオパスが持つべき専門家としての責任について実践するため、国際的な基準に基づき作成されました。高度なオステオパシーの提供と信頼の一助になれば幸いです。
・JOFオステオパシー実践規範 2024(PDF)
日本オステオパシー連合
日本オステオパシー連合は、オステオパスの登録およびその専門教育と行為に関する規定の作成を含む、オステオパシーの専門業に関する規則を整備し、専門分野の開発と促進、および関連する目的の規定を作成する。