JOA Journal No41
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誇張法研究会(仮称)報告 ●「伸ばすと縮み、縮ませると伸びる」靱帯の性質 「縮ませた筋をもっと縮ませると伸びてくる。悪い方へ持っていくとは、相手が動かされているものを動かすのだから、髪の毛一本の幅と2gの圧で操作する。動いている方向に動かすのだからこれで動く。伸びている靱帯を伸ばして、縮んでいる靱帯を縮ませてやる。そういう方法で全部やる。骨を動かそうという考えがあると動かす幅は大きくなり強い力がいる。靱帯を調えるのだから強い力はいらない。」 概ね、このように説明されていました。非常に分かりやすく、実際にテクニックを使う際にもイメージがしやすい説明だと思います。臨床で誇張法を使う上ではこの説明で十分だと思いますが、今回はここからさらに考察を深め、ここで説明されている治療理論を検証してみることにしました。 齋藤先生はその説明の中で「伸ばすと縮み、縮ませると伸びる」のが靱帯の性質であると言われています。これは正常な靱帯組織の粘弾性についての説明であると捉えることができますが、一方で伸びきって損傷した靱帯であれば、縮んで元のように修復することはできないでしょう。従って、ここでは機能障害の治療における靱帯の性質、と理解しておいた方がよさそうです。 齋藤先生は、それまでに主流であった直接的なテクニックを意識して説明しておられます。直接法では、関節の病理的バリアに向かって、大きな力をかけて可動域を拡げようと試みます。誇張法は直接法と反対方向に力を加えていきますが、これは異なる概念を用いており、それは靱帯の性質に則ってのことである、という論理展開です。 では、なぜ機能障害によって縮んだ靱帯をさらに縮めることで、緩んで伸びてくるのでしょうか? 誇張法以外にも、SCSやFPRなどさまざまな間接的テクニックがオステオパシーにはあります。これら間接的テクニックの作用メカニズムは、脊髄への異常な求心性インパルスを減少させることによって、正常な振る舞いをもたらす神経反射を通したものであると考えられており、これらは「アファレント(求心性刺激)減少テクニック」と言われることもあります。(リサ、2013年) 関節には豊富な知覚神経の供給があります。関節に存在する神経終末は機械受容器と侵害受容器であり、これらはそれぞれ固有受容感覚と痛覚に関係しています。関節や靱帯、腱、筋、筋膜といった関節周囲の組織からの情報は、後根から脊髄に入り、上行して大脳皮質に運ばれ、脳からの遠心性の信号は、それを受け取る全ての構造に影響を与えることになるります。(リサ、2013年)求心性の情報が修正されることで、関節周囲の組織を緊張させていた遠心性の情報も修正され、結果としてリリースが起こると考えられます。 こうした神経学的な仮説は、ある程度妥当なものに思われます。しかし2gのタッチで実際に関節周囲の靱帯に圧が届いているのか。また届いたとして、それだけの軽い圧によって固有受容感覚が影響されるのか、といった疑問は残ります。

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