JOA Journal No40 2019.夏
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サムライオステのまた欧米かよ! 巡礼せねばならぬと思っていたミズーリ州カークスビル市。そして、伝説のオステオパスが鎮座するミシガン州都ランシング市。この旅程は、全て車で走り抜くことを半年以上前から計画していた。先に待つ旅を考え心踊る気持ちと、ホストマザーの涙への申し訳なさがない交ぜになり、自分の中でもいささか複雑な心境になった。 いざ聖地カークスビルへ 翌朝ホスト宅で「別れのお祈り」、朝食、挨拶を済まして、現地で借りたフォルクスワーゲンの白いジェッタで北方向へ向かった。道中は高速道路だけではなく、くねくねした国道もたくさん出てきた。ところどころの道脇には、轢かれてしまったのだろうか、横たわるアルマジロ、スカンクなどアメリカ南部を連想させる小動物が目に留まった。超長距離運転となると、聞いていたラジオチャンネルが1時間もすると雑音で聞こえなくなり、嫁はその度残念そうに新たなチャンネルに合わせた。道中にある2つのアウトレットモールを休憩代わりに回り、地元でおすすめのBBQレストランで、ホットパンツを履いた大学生ウェイトレスさんの長い髪と足を眺めながら、ゆっくりと夕食をとった。その日の目的地であるミズーリ州都ジェファーソンシティーへは、10時間ほどかかった。ふとタコメーターを覗くと走行距離は既に460マイル(740キロメートル)を超えていた。日本の感覚だとすごい距離だけれども、この国では25分の1程度しか走行していないことになる。 その晩は、ちょっと安めのモーテルでお世話になった。学生当時なら思わなかったことだけれど(僕はオッサンになってしまったのだろうか)、お煎餅のように薄いドアをぶち破られて、強盗が現れたらどうしようと不安に駆られる。念のため手持ちの所持金を複数のズボンとリュックに分散しておいた。こんな風に知らない土地にくると、昨日までの温かなホストの家と彼らのおもてなしがとても恋しくなった。 続く雷雨と大地の悲鳴 ジェファーソンシティーでの朝は、ゴゴーンと天の唸りで目が覚めた。寝ぼけながらテレビをつけると、地元のニュース番組で、若いカリフォニア州訛りの女性アナウンサーが「短期間集中型の雷雨よ、注意して運転して」と話していた。この30分間の集中雷雨のおかげで、夏の熱くなったアスファルトがひんやりと冷やされていた。小走りでお持ち帰り用のコーヒーカップを片手に持ちながら、僕らは白いジェッタに乗り込む。数10メートル走り出すと、強かった雷雨も小粒になってさほど気にならなくなった。 今夏のアメリカ中部と南部の州では、実は記録的な降雨量によってダムが決壊しそうになり、あえて大量放水することで窮地を免れていた。複数の川に放たれた大量の水は、隣の州へ流れる河川へも悪影響を及ぼしていた。この洪水の連鎖は、過去に例のない歴史的な大氾濫となってたくさんの家や道路を水没させた。アーカンソー州のある街では、ボートで移動せねばならぬほどの冠水で、衛生環境も悪いことから、マラリア発生が疑われているとリトルロック市のニュースでも繰り返し伝えていた。

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