JOA Journal No40 2019.夏
18/62

MAT LIVEコース レベル1セミナー 具体的には、若い頃には脚の強さには自信があったものの、年齢と日頃の運動不足がたたってか、下腿部の筋力や体幹部の筋力は自分の予想を大きく下回って平均以下の数値となっていたり、また逆に、固有感覚や身体のバランスにおいては自分が思っていたよりもかなり良い数値が計測されました。人間1年ごとに身体は衰えていくもので、また、運動をしないことでそれは加速されることになるので、自分の「身体の状態」と「感覚」のギャップが 生まれるのは当然のことなのですが、普段何もしていない私でもこれだけのギャップが生まれてくるのだから、怪我のリハビリをしているアスリートなどには より顕著にこれが現れるのだろうと思います。このギャップというのは、それがあまりにも大きすぎるとそれだけで怪我に繋がるというものであるため、それをはっきりと明確にさせてくれるMATという手法は、非常に意義の高いものだということを感じました。 様々な検査等を行い、大体1時間ほどのセッションという形で計測をして分析・アプローチをするという流れでした。この形で行うということを考えると、日常の治療院での施術に組み込んで行うということは少し難しいかもしれませんが、スポーツの現場においてチームの選手たちをこのMATを使って計測し、個別の怪我予防のためのメニューを組むと言ったようなパーソナルトレーニング分野において、一番効果を発揮するものだろうなという印象を受けました。私自身としては、最近息子が入団した少年野球チームにおいてコーチ的な役割をすることも多くなっているため、後々そのチームにおいて野球障害を予防するためのフィジカルチェックとして、チームの子供達全員に行ってみることができれば面白いなという可能性を感じました。 どの社会的要素」に加えて、「痛みに対しての恐怖の感情」や、「痛みにフォーカスしてしまう過剰な認識」、「愚痴やネガティブ思考」などが原因となり引き起こされるというパターンも多いのですが、これはここ10年ほどで世界中で急速に広まりつつある新説の概念・理論になるものです。 例えば、オーストラリアのある州では、この考え方を正式に採用しこれに基づいたアプローチを推奨しているように、世界中でこの考え方が広まりつつある状況なのですが、日本の医療界ではまだあまり普及していないというのも現状であり、オステオパスでも今回初めて聞いたという人も多かったようで、このような部分については 日本のオステオパシーが少し遅れをとってしまっている部分なのかなと感じました。 また、講義内容の1部として、「痛みのメカニズム」についての説明が詳細にあったというのも、今回のセミナーの大きなポイントではないかと思いました。「ブレイン・タグ」という考え方があるのですが、これは、痛みという現象が発生する際に原因となる要素はいくつもあり、それがタグ付けされているようなイメージで、様々な原因によって痛みが引き起こされるのだということです。そして、そのさまざまな原因には一般的な物理的要素だけではなく、実は心理的要素があったりすることも多いため、それらも考慮しながら進めていかなければいけないという内容でした。 特に、なかなか取れずに長く続いている慢性痛や、異常なほどに過敏になってしまっている痛みの状態においては、「ストレスな

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る